ふとしたきっかけで「アンパンマンの世界観て何だろう」と気になり、やなせたかしさんの本を館内で探してみるとありました、この本が。アンパンマンと戦争、、やなせさんの作品作りに何か関係がありそうです、、
これまで自身の戦争体験を語ることは少なかったそうですが、この本では戦時下の日常の様子や、入隊後のやなせさんの任務とその変遷をユーモア交えながら若い人たちにやさしく語りかけています。また、この中で戦死した弟、千尋さんと最後に会って話した時のことは印象深く、やなせさんが千尋さんに捧げるために書いた『おとうとものがたり』の存在を知るきっかけになりました。
「おしまいに」の部分で、「ぼくが『アンパンマン』の中で描こうとしたのは、分け与えることで飢えはなくせるということと、嫌な相手とでも一緒に暮らすことはできるということです。」という一文があります。アンパンマンもばいきんまんも対戦しながらも共存していますね。このほか、アンパンマンは、小さなこどもが読むアニメという位置づけだけでなく、世界中で起きている紛争の原因の一つ、食糧問題などにも目を向けるきっかけになるかもしれません。(ちょっとこじつけですが)
(司書 古川)