リトさんは、インスタグラムの投稿から人気が出た葉っぱ切り絵アーティストだ。
はじめて彼の作品をスマホで見た時、その小さな世界に感動した。その頃、彼はあちらこちらのカフェで作品展をしていた。埼玉の小さなカフェに来ると聞いて、とにかく実際に見てみたいと出かけて行ったのが2020年4月。この時、リトさんと一緒に作品を見ながら、ゆっくりとお話することができた。
その後、この本が出版され、作品を展示する場所もぐっと大きくなり、今や日本全国を飛び回ってワークショップや展示会をしているリトさん。でも彼は、自分の作品一つで勝負しているアーティストなので、このブームの火を絶やさないように必死なのだという。
インスタに新作が投稿される度に、「これってシリーズ化できるんじゃないですか」「カレンダーや日めくり作ってほしいなぁ」などとメッセージを送ると、ちゃんと返信をくれる。フォロワー47万人を超えるというのに、実にまめな人である。
社会人になってからADHDと診断され、会社を辞めてアーティストを志したことや、自分の切り絵のノウハウも惜しまず公開して出したのがこの本だ。彼が使うのは主にサンゴジュという葉、その半分かそれ以上を切り取ってしまう。その作品は小さくて繊細で、見る人の心を和ませてくれる。さらに作品タイトルをつけるまでに、いつも悩みまくるそうだ。そんなリトさんの作品集、ぜひ手にとってみてもらいたい。
(司書 石田)