自然界はまだまだ不思議なことだらけ。しかし、普段私たちは気に留めずに過ごしていませんか。タイトルにもなっている“ヤモリの指”には、壁が乾燥していても濡れていても、汚れていても粘着性が衰えることなく無限にくっつき、自由自在に動き回ることを可能にする優れた秘密があります。その機能や構造を解明すれば、テクノロジーとして応用でき、私たちの暮らしを便利なものへと変化させていけるでしょう。“ヤモリの指”のように接着剤不要で利便性の高い製品の実用化には多くの課題を残しているそうですが、当たり前と見過ごしていることの中に不思議が眠っているなんて心がときめきます。また、聖学院図書館が製作した「利用案内」の“ミウラ折り”の逸話も載っています。ぜひ、自然科学と社会をつなぐ入門として読んでみてください。
ところで、イモリとヤモリの違いをご存じでしょうか。イモリは両生類で前足の指の数は4本、ヤモリは爬虫類で5本です。
(司書 古川郁)