『ハンセン病』を知っていますか?名前は聞いたことがある、その病気にかかった人が差別を受けていたことも知っている、という人も多いと思いますが、その人たちがどういう人生を送ってきたのか、具体的に興味を持ったことがある人は少ないのではないでしょうか。
この小説の主人公はその『ハンセン病』を患い、壮絶な人生を送ってきた人ですが、そんな哀しみ苦しみをクローズアップした重苦しい小説ではなく、ふんわりと温かい文体で、こちらもまた壮絶な人生を送ってきた和菓子屋の店長との心の交流を描いています。
もし、今、生きる意味が分からない…などと考えている人がいたら、ぜひこの本を手に取ってみてください。優しい文体で何かを語りかけてくれるはずです。
美しい表現の数々に、心が温かくなります。
(司書 山中)