「映像現場で働きたい!!」そんな夢を抱いて上京したが、現実はそう上手くいかない。しかし、巡りめぐって映画撮影の現場でバイトをするチャンスに遭遇する。ひたすら撮影が滞りなく進行するよう走り回り、俳優さんが気持ちよく本番に臨めるよう周囲にも気を配る。日の当たらない縁の下の力持ち役だが、これを率先してやる人がいないと現場は回らない。
人をおもんばかることで、自分はどう行動したらいいのか考えを巡らすことが必要なのだ。そして、その背景にあるのは、常に人への尊敬の念だろう。
果たしてそれは、映像制作の世界だけの話だろうか。いや、私たち一人ひとりが日々生きていく中で大切な心構えなのではないだろうか。
(司書 古川郁)