病気で余命1年と宣告された主人公は、仕事を辞めて故郷に戻り、そこで1人の高校生と出会います。彼の名前は沖晴。
沖晴は大津波に遭いながら、奇跡的に生き延びることができた少年です。ただし、家族はすべて失って。
1人で生きる沖晴は、主人公との交流を通して、まわりの人との繋がりを取り戻していきます。「喜び」以外のすべての感情を失った状態から、ひとつひとつ感情を取り戻していきます。
怒りや嫌悪、悲しみといったネガティブな感情は、時には鬱陶しく持て余してしまうものでもあります。でも、それらはすべて生きている証、そういう感情も含めて生きていることが愛おしいと思える作品です。
(司書 山中)