犬の名は。
今でも、たまにテレビ放送される映画『南極物語』。
1957年、第1次越冬隊は、南極探検ため、樺太犬を連れて行きました。
それらの樺太犬は、第2次越冬が急遽中止されたため、南極に置き去りにされてしまいます。
ところが、1年後、第3次越冬隊が南極に到着した時、生存が絶望視されていたのにもかかわらず、タロとジロの2頭が生き残っていました。
『南極物語』は、この史実を基にした映画です。
この映画のおかげで、タロとジロの2頭の兄弟犬が、お互いに助け合って、過酷な南極で生き残ったことは広く知られるようになりました。
しかし、当初、行方不明とされながら、数年後、昭和基地付近で遺骸が発見された1頭については、ほとんど知られていません。
作者は、鎖から脱出しながら基地付近にとどまった、この1頭こそが、年若く経験不足なタロとジロのリーダーとなり、兄弟犬を生還へと導いたと考え、その犬の名を知ろうと奮闘します。
樺太犬が南極探査でどんな活躍をしていたのかを、一頭ごとに振り返り、少しずつ手掛かりを集めていきます。
タロとジロとともに鎖から脱出するも、あと一歩のところで命を落とした犬の名は…。
(司書 中島)