なぜ「友だち」との関係でこうも悩まなくてはならないのか?著者の菅野仁さんは2016年に亡くなってしまいましたが、友だち関係に悩む娘さんにあてて書いた温かい眼差しのこの本が、初版から10年以上の時を経て注目を集めました。キーワードは「同調圧力」。人との距離の取り方に悩むすべての人へ紹介したい本です。
すでに38万部以上の売り上げだそうです。CDなどはミリオン(100万)セラーという言葉がありますが、本、特に小説以外で30万部以上は、なかなか到達できない数字です。
過剰な「つながり」がもたらす息苦しさが生む「同調圧力」に目を向け、「人と人とのつながり」の常識を丁寧に問い直した著作。社会学者の著者が若年層向けにまとめたものです。著者の娘さんも「学校」という社会に苦しんでいて、その娘さんに向けたメッセージでもありました。ただ、著者の菅野さんは病気でもう亡くなっており、娘さんも20代前半という若さで亡くなっています。今、再び脚光を浴びているこの状況を、天国から見つめてどう考えておられるのか…
(司書 山中)