G7サミット、広島で始まりましたね。
図書館でも特設コーナーを作って関連の本を展示しています。

今回のサミットに合わせて、ウクライナのゼレンスキー大統領の来日も急遽決まりました。
戦争のことは、大きな議題の一つになるでしょう。

図書館でも、ロシアとウクライナの戦争が始まった後、その背景などについて興味をもってニュースを見てほしいという願いから、ウクライナやロシアについての幅広い分野の本を順次増やしています。この戦争について背景が語られている書籍はもちろんのこと、人々の日常生活について書かれたもの、戦場からの報告、美術などの文化、実際にウクライナから戦禍を逃れてきた少女の日記など、多岐にわたっての本を購入しています。

自分たちの身の回りのことで忙しい中でも、外の世界に目を向ける時間を持ってみてください。

小説のような、文章を書くための指南書のような、哲学書のような、不思議な本です。

海の中で生きているタコジローは学校で友達にいじめられていると感じ、登校できないことがあります。学校をさぼって公園に行ってしまったある日、そこでヤドカリのおじさんと出会います。日記を書くことをすすめられ、書き方を教えてもらううちに、友達との接し方も変わっていきます。書くことで、自分との向き合い方を学び、自分の気持ちを言葉にする方法を身につけていくのです。

本文はまるでとても読みやすいファンタジー小説。携帯のことを［シェル（貝殻）フォン」と表現し、［吾輩はウニである。名前はまだない…」と人間界のお馴染みの小説のパロディが出てくるなど、ウィットに富んだ表現もたくさん出てきます。

書くことで思考が整理され、行動も変わっていく様子が、タコジローとヤドカリのおじさんのやり取りを通じてよく理解できます。また、タコジローに指導する、という体で書く方法も一歩ずつ教えてくれているので、書くことが難しいと感じる人にとっても、読みながら「よし、自分にもできるかもしれない、書いてみよう」と思える本です。

著者は『嫌われる勇気』が様々な言語で翻訳されて世界中で大ベストセラーになった、古賀史健氏です。
ベストセラーの著者が、とても読みやすい言葉、おそらく10代前半の世代を意識して書いたと思われる著作です。

（司書　山中）