知らないことだらけ!?研究の面白さに触れることからはじめよう
サッカー小説など数々の作品を発表し、作家としても活躍されている川端裕人さん。そんな彼が、多様な科学分野の研究者を訪ねて、日頃の研究活動や研究内容をわかりやすい言葉で伝えてくれる一冊です。
著書の中に登場する「恐竜」「気象」など、6分野の研究者の中からお一人、サメの研究をリードする沖縄美ら海水族館副館長について紹介しましょう。皆さんの中には、沖縄美ら海水族館を訪れた人もいると思います。わたしは行ったことがありませんが、どうやら研究環境にも恵まれ、日本のサメ研究には持ってこいの場所らしいです
ところで、サメは何類でしょうか? 大きく分類すると魚類になります。魚類ですから、てっきり全てのサメが卵から生まれてくるものと思い込んでいました。ところが、実はそうではないらしいのです。一例を挙げると、沖縄美ら海水族館の名物ジンベイザメは、卵を産み落とさず、メスのお腹の中で胎仔(産まれる前の子ども)を育てるのだそうです。しかし、サメの研究者の間でもまだまだ解明されていないことがたくさんあり、サメの産み方は、「繁殖様式のデパート」と例えられるほど、多種多様で未知の世界のようです。
この本を読んでみると、驚きの連続とともに、まるで自らが研究室を訪れたようなワクワク感にかられること間違いなし!! 自分の興味の分野に限らず、まずは様々な科学分野に触れてみてはいかがでしょうか。
(司書 古川)