短編が3作品おさめられています。
どれも、「駅で突然声をかけられる」「不倫相手の子を預かる」「ホームレスを家に連れてくる」という、いびつな形で出会った人達の物語。
そのいびつな関係を温かいものにしようとする人たちの営みを、春の風のような優しく柔らかい文章で描いています。
コロナで人とのかかわり方に変化が生まれた人も多いことと思います。面倒でやっかいな面も多い、人と人との繋がり。でも、避けられないのも事実。この本を読むと、「面倒も多いかもしれないけど、人と関わることはやっぱり悪くないな」という気持ちになります。
瀬尾まいこさん、お優しい人柄が伝わってくるような文章が魅力的ですね。
(司書:山中)